< 事前準備 >
①許認可が必要な事業ではないか確認する
まず、自分のやりたい事業が行政庁の許認可が必要なのかどうかを調査することが大事です。
その許認可がどの行政庁の許認可になるかも調べます。
業種 | 届出窓口 | 申請先 |
---|---|---|
飲食店 | 保健所 | 都道府県知事 |
喫茶店・ケーキ屋 | 保健所 | 都道府県知事 |
コンビニエンスストア | 税務署 | 税務署長 |
古本屋 | 警察署 | 公安委員会 |
リサイクルショップ | 警察署 | 公安委員会 |
クリーニング店 | 保健所 | 都道府県知事 |
薬局 | 保健所 | 都道府県知事 |
診療所 | 保健所 | 都道府県知事 |
理美容院 | 保健所 | 都道府県知事 |
風俗営業 | 警察署 | 公安委員会 |
不動産業 | 都道府県庁 | 都道府県知事 |
建設業 | 都道府県庁 | 都道府県知事 |
人材派遣業 | 都道府県労働局 | 厚生労働大臣 |
有料職業紹介業 | 都道府県労働局 | 厚生労働大臣 |
旅行代理店 | 陸運局事務所 | 国土交通大臣 |
②会社の基本事項を検討する
③発起人個人の印鑑と印鑑証明書を用意する
1 商号を決める
①使用できる文字 漢字・カタカナ・ひらがな・ローマ字・アラビア数字
記号で使える者は、 「&」 「’」 「,」 「-」 「・」 「.」
②「株式会社」など会社の種類を示す文字
2 目的を決める
①「飲食業」などを箇条書きにして記載
②最後に「前号各号に付帯する一切の事業」と記載
3 本店所在地を決める
①「当会社は、本店を大阪市北区に置く」と、いう記載方法
②「当会社は、本店を大阪市北区○○町1丁目2番3号」という記載方法
4 資本金額を決める
①資本金とは、これから事業を行う際の元手のこと。
②資本金額、1株当たりの発行価額、設立時の発行株式数を決める
③各発起人が何株づつ出資するのか
④発行する株式は普通株式のみでいいか
⑤株式に譲渡制限を付けるか
5 発起人会を開く
①発起人とは、株式会社の設立企画に参画した者 1人でも良い
②発起人が複数いるときは「発起人会議事録」
発起人が1人のときは「発起人会決定書」を作成する。
6 定款をつくる
①定款とは、会社の基本的な事項、ルールを記載したものです。
②絶対的記載事項
(絶対に記載しないといけない事項)
(1)商号
(2)目的
(3)本店所在地
(4)設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
(5)発起人の氏名または名称と住所
(6)発行可能株式総数
③相対的記載事項
(記載しなくても定款は有効、でも記載して初めて法的な効力を持つ)
(1)株式の譲渡制限に関する事項
(2)株券の発行
(3)取締会、監査役・会計参与などを置く場合
(4)取締役の任期の延長
(5)監査役の任期の延長
④任意的記載事項(定款に記載してもしなくてもよい事項)
会社の事業年度、広告の方法など
⑤発起人の記名・押印(実印)
⑥定款の認証
(1)定款は公証人の認証を受けて、はじめて法的な効力を持つ
(2)公証役場に持っていくもの
定款3通
発起人全員の印鑑証明書 各1通
発起人の実印
定款の認証に必要な費用(約92,000円)
7 出資金の払い込み
出資金は、発起人個人の口座に振り込めばよく、銀行の証明書は不要
8 役員選任、調査報告
定款で定めなかった場合、
「設立時取締役・設立時監査役選任決議書」を作成します。
現物出資がある場合には、
「調査報告書」を作成します。
9 設立の登記 調査完了後2週間以内に登記をする
登録免許税は150,000円
10 登記申請の時に、同時に提出する者もの
①印鑑届出書
②印鑑カード交付申請書
1 合同会社のメリット① 設立費用が安い
合同会社は10万円で設立できます。
(登録免許税6万円、定款印紙代4万円)
株式会社は登録免許税15万円と定款認証費用5万円、定款に貼る印紙代4万円で、合計24万円かかりますから、14万円安く設立できます。
② ランニングコストが安く、手続きも簡単
決算報告義務がないので、官報掲載費用6万円がかかりません。
また、役員の任期がないため、十人登記が必要ありません。
(株式会社の場合、役員任期が切れるたびに重任登記で1万円ー資本金1億円以上の場合は3万円ーかかります。)
③ 経営の自由度が高い
合同会社では利益の配分を、出資比率に関係なく社員間で自由に決めることが出来ます。
また株主総会も必要ないので、迅速かつ簡単に経営上の意思決定ができます。
定款で規定できることも自由度が高いです。
④ 法人の節税メリットが享受できる
税務的には株式会社とまったく同じです。個人事業主よりも経費の範囲が広がります。
(具体的には、携帯電話などの通信料が法人名後であれば、すべて経費として認められます。個人事業主の場合は、プライベートの分ときっちり分けなくてはなりません。)
⑤ 有限責任である
株式会社と同じく法人ですので、社員は出資の範囲内で有限責任を負うだけです。
⑥ 株式会社への変更も可能
合同会社という形態で独立したが、事業が大きくなってきたので、株式会社に移行したいというときに株式会社に変更できます。
(まず合同会社で始めるという選択肢を検討するときの、大きな要因になるのではないでしょうか?)
2 合同会社ののデメリット
①合同会社の知名度が低い
②社員同士の対立の危険がある
③上場はできない
④資金調達の手段が株式会社より少ない
3 合同会社が多い業種
① 飲食事業・エステ事業など
資金調達面から法人である合同会社が選択されます。
② 介護事業・建設業
許認可要件として法人格が必要とされているため、株式会社よりも設立費用・ランニングコストともに安いので選択されることが多いです。
③ 不動産賃貸業
相続税対策を兼ねると同時に、会社を運営していく上でランニングコストが安いので、合同会社が選択されます。
④IT・コンサルティング業
合同会社の経営の自由度の高さから、合同会社が選択されます。
⑤FX投資業
節税目的で法人を設立する必要があるが、設立費用やランニングコストが低い合同会社が選択されます。
4 合同会社が適しているのは
上記の業種の人には合同会社がおすすめなのですが、他の業種でも、下記のような方は合同会社設立に適していると考えられます。
●法人設立による節税のメリットを享受できるだけの売り上げが見込める方
●許認可など何らかの理由で法人格が必要な方
●株主総会や決算報告などの煩わしい作業をしたくない方
これらに該当する方は、合同会社の設立が適していると言えます。
6 合同会社設立が適していないのは
○投資家からの増資による資金調達を検討している方
○急激な事業拡大をし、上場を目指す方
○法人設立による節税のメリットを享受できるだけの売り上げが見込めない方
これらに該当する方は、合同会社ではなく、株式会社や個人事業主を検討されることをおすすめします。